influenza②

・娯楽の必要性

 

インフルエンザウイルスが猛威を振るっている間、

僕はただベッドの中で時が経つのを待っていた。

することがなにもない。

 

代わり映えしない部屋の中。

それでも、変化し続けるものがひとつだけあった。

僕の体温だ。

 

部活動を休むため、何度も体温計で熱を測っていた学生時代の記憶が蘇る。

 

僕は幾度となく体温を測り続ける。 

病人に許された最大の娯楽。それは、病気の経過観察だった。