桜の樹の下には 男子高校生が埋まっている

男子高校生二人を養っている。

私の国、という名の心の中で。 

でも彼らは養われるのが嫌だそうで、とっくの昔に出て行ってしまった。

 

私の国。

たぶん、街中のいたるところにスピーカーが備え付けられていて、そこからは常に、季節や時間帯に合ったBGMが流れている。Undertaleのサントラとか、キャプテンストライダムとか、stereo fabrication of youthとか。

あと、いいとも中継先のアルタ前のように(例えが古い)、でかいモニターがどーんと置いてあって、そこではアニメ「カウボーイビバップ」が放送されている。映画「アンタッチャブル」も流そう。いいまちである。

 

気持ちが移ろいやすい。

この性格は、国の天気に反映されていると思う。実際、もうリスニングの勉強はしていない。英文法で精いっぱいなのです(逃げ道)。とまあ、このように、数日、あるいは数時間のうちに考えがコロコロと変わってしまう。突然の雨。雪。台風。快晴。国民たちはなかなか洗濯物を干すタイミングがつかめない。四季も順番通りに来なさそう。最悪な国だな。

 

そんな国は嫌らしい。男子高校生たちはすぐに出て行ってしまった。

それでいい。私も、出て行ってこその彼らだと思っている。

私の国は狭い。そんな場所じゃなくて、もっと広い所でノビノビと自分らしく生きて欲しい。

 

私はそう思うのです。

時田秀美くん、垣内くん。

 

とまあダラダラ書かせてもらったんですけど、何が言いたいかというと、山田詠美の「ぼくは勉強ができない」と、瀬尾まいこの「図書館の神様」はいいぞ、ということです。

 

仕事の中で、「ぼくは勉強が出来ない」の話題になり、「私の心には時田秀美が住んでいるので、嫌なことがあっても胸の中の秀美くんが何か言ってくれるんですよ~」などと戯言を放ってしまった。心に時田秀美が住んでいる?馬鹿なことをいってはならない。傲慢にもほどがある。自分を戒め、すぐにふたりを国から解放しようとしたが、ふたりはもういなかった。そういうやつらだ。たぶん、春が来ないのが癪に触ったりでもしたんだろう。すまんね、移ろいやすい性格で。